世界に誇る蔵王の樹氷と自然景観を未来へ

  • エリア:蔵王連峰山頂域から中腹域(地蔵山、熊野岳、刈田岳、蔵王高原坊平にかけてのエリア)
  • 団体名:蔵王温泉観光協会
 蔵王連峰の亜高山帯(1300m~1700m)には、オオシラビソ(アオモリトドマツ)の群生林が広がっています。山形県内で蔵王連峰よりも雪が多い山岳(飯豊山地、朝日山地、月山、鳥海山など)では群生林は見られず、蔵王連峰における特徴的な植生を示しています。また冬期間には、スノーモンスター(樹氷:アイスモンスター)と呼ばれる特異な自然現象を見ることができ、蔵王連峰は樹氷発現の特殊条件を満たす貴重なエリアです。同じ亜高山帯のエリア内(1400m~1600m)には、樹齢300年を越すキタゴヨウマツが群生する景勝地「観松平」があり、「羽衣の松」「王将の松」などの名前が付いたものが14本とそれらを巡る1周約1.2kmの遊歩道が整備されているほか、大小数十個の沼(池塘)が点在する貧養湿原「いろは沼」は、高層湿原植物の宝庫となっており、木製歩道や休憩所が整備され、初心者向けのトレッキングコースとして親しまれています。
 さらに歌人斎藤茂吉は、父なる蔵王山、母なる最上川としてふるさと山形の自然を讃えこよなく愛したことで知られ、特に蔵王は、幼少のころから朝夕仰ぎ親しみました。
 オオシラビソの群生林をはじめとする、蔵王連峰の亜高山帯における貴重な自然景観は、斎藤茂吉の感性と思いに触れるとともに、四季を通して類まれな自然を身近に感じ取ることができる、山形が世界に誇る宝です。未来に継承していくため、保存及び活用の取組みを進めていきます。

保存・活用の取組み

  • オオシラビソ群生林の再生に向けた実証実験への協力・参加
  • SDG’sに対する意識向上と環境や景観に配慮した地域づくり

主な構成文化財等

  • オオシラビソ(アオモリトドマツ)群生林
  • 観松平(キタゴヨウマツ群生林)
  • いろは沼

オオシラビソ(アオモリトドマツ)群生林(樹氷)

蔵王の樹氷
蔵王連峰の1300mから1700mの亜高山帯には、オオシラビソ(通称アオモリトドマツ)の群生林が広がっています。ハイマツを除く針葉樹の中では、オオシラビソは最も多雪環境に適したものとされていますが、蔵王連峰を除く県内の山地では群生林を見ることはできず、この地の特徴的な植生であるということが言えます。このオオシラビソの群生林に、季節風の影響で着氷と雪片の付着が繰り返され、写真のような、「樹氷」が形成されます。
オオシラビソは1年に数センチしか成長しないため、長期的な取組みが必要となっています。

観松平(キタゴヨウマツ群生林)

蔵王-観松平(天竜の松)

亜高山帯の1400m~1600mのエリアであり、樹齢300年を超すキタゴヨウマツが群生する景観地となっています。「羽衣の松」「王将の松」などの名前が付いたものもあります。この地ではマツ枯れが発生しており、その保全について合わせて取り組みが進められます。

いろは沼

蔵王-いろは沼

このあたりは高層湿原植物の宝庫であり、その植生保護のための木道が設置されています。来訪者に蔵王の自然景観の魅力を伝えていく為、観松平と合わせ、トレッキングが可能な整備が進められます。

わたしたちが案内します

蔵王温泉観光協会

【問い合わせ先】
〒990-2301 山形市蔵王温泉708-1
電話:023-694-9328
HP:https://www.zao-spa.or.jp/(蔵王温泉観光協会)