鳥海山信仰が育んだ蕨岡の歴史と文化

  • エリア:遊佐町蕨岡地区
  • 団体名:遊佐町蕨岡まちづくり協会
 蕨岡地区は神宿る山、鳥海山の山麓に位置し古来より山岳信仰が発展してきた地区です。国指定重要無形民俗文化財「杉沢比山」や「大御弊祭」等、鳥海山信仰とつながりを持つ多くの文化財や地域行事が保存伝承され、鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮のある上寺集落にはかつての鳥海山修験にかかる宿坊の景観が今なお残っています。
 鳥海山信仰は地域住民の日常生活の営みの中に息づいています。地域の良さの再認識と情報発信により多くの人が訪れる賑わいのある地区を目指し、先人が脈々と築いてきた歴史と文化を次世代に引き継いでいきます。

保存・活用の取組み

  • 蕨岡地区案内マップの作成
  • 案内標識、説明板の整備
  • 夜景ビューポイントの設定
  • 史跡等の整備活動・維持管理
  • ホームページによる情報発信
  • まち歩き事業「蕨岡修験の道を歩く」の実施
  • 無形民俗文化財の現地公演及び鳥海山を巡る伝統行事のPR活動

主な構成文化財等

  蕨岡延年【県指定無形民俗文化財】  荘照居成神社【町指定文化財】  旧大組頭齋藤家住宅【町指定文化財】
  山本坊のツバキ【町指定天然記念物】  下居堂のトチノキ【町指定天然記念物】
  ※以下未指定
  熊野神社、子安神社、龍頭寺、山本坊庭園、歌人「鳥海昭子」歌碑、桜並木(鳥海公園・W坂)
  文殊菩薩坐像(文殊様)、古四王神社(きかず様)

杉沢比山(すぎさわひやま)」【国指定重要無形民俗文化財】

  鎌倉時代から杉沢集落の熊野神社に伝わる番楽(山伏神楽)で、鳥海山を道場とする修験者によって伝えられ、昭和53年5月に国の重要無形民俗文化財に指定されました。毎年8月6日(仕組)8月15日(本舞)8月20日(神送り)の三日間、熊野神社境内で14の舞が奉納されています。
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大御弊祭り

 大御弊祭が行なわれる上寺集落は修験集落で、修験者は10ケ月に及ぶ胎内修行と呼ばれる籠りの修行を行っていました。修験者が大先達になるために修験する最大の修行であり行事でした。その中心となるのが「暁の御弊立饗」と「笈緘饗」で、現在の大御弊祭りです。毎年5月3日に行われ、県指定無形民俗文化財「蕨岡延年」が奉納されています。
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鳥海山【国指定史跡】、鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮本殿、随神門、神楽殿【国登録有形文化財】

 鳥海山修験の出羽一宮であった大物忌神社は、鳥海山を御神体とし鳥海山頂の本社と麓の吹浦と蕨岡の2か所の口ノ宮(里宮)があります。大物忌大神を主祭神とし、鳥海山山岳信仰の中心を担っています。平成20年3月に神社境内地が国の史跡に指定されました。また、蕨岡口ノ宮の本殿、神楽殿、隋神門が平成19年10月に国登録有形文化財に指定されています。
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大泉坊長屋門【国登録有形文化財】

 鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮のある上寺は修験者のために三十三の宿坊がありました。大地主の太田家の大泉坊もこれら宿坊の一つです。長屋門をもっているのは、庄内地方では酒田市の本間家本邸と大泉坊の長屋門くらいであり、平成16年6月に国登録有形文化財に指定されました。
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地図

地図

わたしたちが案内します  
  遊佐町蕨岡まちづくり協会(蕨岡まちづくりセンター内) 電話:0234‐72‐2231

  • 【アクセス】(鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮)JR羽越線遊佐駅から車で10分(約6km)
  • 【問合せ先】遊佐町蕨岡まちづくり協会(蕨岡まちづくりセンター内) 電話 0234-72-2231