東北の熊野を後世へ~百年の想いを、次の百年へ~

  • エリア:南陽市宮内地区
  • 団体名:太々神楽奉奏百周年記念事業実行委員会
 大同元(806)年に平城天皇の勅命により再建されたと伝えられる東北の伊勢、熊野大社。江戸時代には、門前町の宮内が山形と米沢の中間取次所としてにぎわいを見せました。毎年、伊勢神宮より伝わる太々神楽が奏でられ、命の神様、縁結びの神様として信仰を集めています。東北の熊野信仰を伝える境内配置は、江戸時代から変わらないとされており、歴史的にも高く評価されています。
 平成33年度に太々神楽が伝わってから百周年を迎えることを契機に熊野大社と宮内の文化継承、地域活性化の機運が高まってきています。次の百年に向けこの地の文化を継承していくために、地域一体となり文化財を活用した活動を行います。

保存・活用の取組み

  • 史跡指定に向けた調査と報告会
  • 歴史・文化の普及活動(出前講座、ガイド人養成、パンフレットの作成等)
  • 観光資源の創出(観光神楽、地元商店街とのイベント開催等)
  • 文化資産鑑賞のための環境整備
  • 文化施設の改修

主な構成文化財等

【県指定有形文化財】・熊野神社拝殿 ・二宮神社社殿 ・土社神社本殿 ・熊野神社の大銀杏居
【町指定無形文化財】・三宮神社社殿 ・梵鐘 伊達政宗安堵状 ・舞楽及稚児舞 他
 

熊野神社拝殿 【県指定有形文化財】

 桁行(けたゆき)7間、梁間(はりま)3間、南面中央3間向拝(こうはい)付、入母屋(いりもや)造草葺、向拝中央間向唐破風(むかいからはふ)付入母屋造草葺で、全国的に類似が少ない大規模拝殿として、天明7(1787)年に再建されました。
 再建当初の形式が良好に残り、閉鎖的な拝殿は仏間を備えた修験道場としての性格を備えています。神仏習合時代の信仰形態をうかがわせる独自の形式で、他の地方にはない珍しい例として貴重です。大規模な草葺屋根と特異な形式の向拝は東北地方独特の地域性を示しており、江戸時代後期の建築物としては、全国的にみても引けをとりません。室町時代から江戸時代にかけての社殿建築の中心的存在として、歴史的、文化的価値が高いものです。
山形の宝検索navi「熊野神社拝殿」

熊野大社境内

 熊野大社の境内配置は大社所蔵の指図である寛政年間(1789~1801)の『大津貞治家文書』、安政2年(1855 年)に書かれた『東講商人鑑』の2つと比較すると、江戸時代とほとんど変わりのない、旧状をよく保持している境内配置として、高い評価を得ています。
 先人達が守ってきた熊野大社の価値ある歴史を後世に継承するために、国の史跡指定を目指し更なる調査や報告会などの取り組みを行っていきます。

太々神楽

熊野大社の太々神楽は、伊勢の神宮より直伝を許された御神楽です。この御神楽は、日本最古の最も尊い御神楽とされ、中でも倭舞(やまとまい) 、人長舞(にんちょうまい)は神宮の祭に欠かすことの出来ない御神楽であり、 その伝授は神宮御鎮座以来、初めてのことでした。 以後、神宮の太々神楽は伝授を禁じられたため、伊勢神宮と熊野大社だけに伝わる御神楽となりました。2021年には、太々神楽が熊野大社に伝わって百年の記念すべき年をむかえます。

地図

わたしたちが案内します )0238‐47‐7777(太々神楽奉奏百周年記念実行委員会(事務局))

  • 【アクセス】JR奥羽本線赤湯駅から車10分
  • 【問合せ先】太々神楽奉奏百周年記念実行委員会(事務局)  電話:0238‐47‐7777(熊野大社社務所内)